カタール航空の遅延補償は、マイルの特典航空券でももらえるのか? 私は、JALのマイルで取った特典航空券で、600ユーロをもらえました。
2025年12月、ウィーン&ブダペストの旅行の帰り、ブダペスト発のカタール航空QR200が、4時間遅れました。ドーハでの乗り継ぎにも間に合わず、日本に着いたのは、予定の成田17:55ではなく、羽田の深夜1時でした。到着は、約7時間遅れです。
帰国後に、カタール航空に補償を申請して、600ユーロ(受け取り側の手数料が引かれて、575ユーロ)を受け取りました。JALのマイルで取った特典航空券(空港使用料や税金以外は、お金を払っていません)でも、補償の対象になりました。
この記事では、
- 空港で何が起きたか
- どんな条件なら補償をもらえるのか(EUのルール)
- 申請の手順と、お金が入るまでの期間
をまとめます。同じ目にあった人の参考になればうれしいです。
旅行の全体はウィーン&ブダペスト弾丸旅行|JALマイルで行くクリスマスマーケットにあります。
本来の予定と、実際にあったこと
本来の帰りの予定は、この2便でした。
- 12/14(日)QR200 ブダペスト 14:45 → ドーハ 21:40
- 12/15(月)QR806 ドーハ 2:15 → 成田 17:55
(JALのマイルで予約した、カタール航空の特典航空券です)
実際には、こうなりました。
- QR200:ブダペストの出発は18:52(4時間7分遅れ)。ドーハに着いたのは、12/15の1:59(4時間19分遅れ)
- 元の成田行き(QR806、2:15発)には、16分しかなく、乗り継げなかった
- 羽田行きに振り替え
- 羽田に着いたのは、12/16の深夜1時ごろ(1:10には、降りる順番を待っていました)

実際の時刻は、帰国してから、フライトトラッカー(FlightAware)で確認しました。
空港で:掲示板に、私の便がない!
出発予定(14:45)の約3時間半前、11時すぎに、空港へ行きました。
ところが、電光掲示板に、私の便の記載が、一切ありません。「遅れている」とも書いていません。
空港が二つあって、違う方に来てしまったのでは?と、すっごく焦りました。でも、ネットやチケットを見ても、間違えていなさそう。
案内に聞こうと探したら、案内カウンター自体が、すっごく小さくて目立たず、素通りしそうになりました。「カタール航空のチェックインカウンターはどこ?」と聞くと、番号を教えてくれました。
行ってみると、端っこのカウンターに、数人の列が。カウンターの上の表示には、「QR 200/Scheduled 18:15/Check-in open 11:45/Doha」の文字。私は14時台のはずなのに……。でも、そこしかないので、並んで待ちました。
途中、スタッフが全然来なくて不安になり、前にいた欧米人の方に「あなたのフライト何時?」と聞いたら、同じチケットでした。私の間違いではないとわかって、一応ひと安心。
(遠くの文字は、写真に撮って、拡大して読む習慣があって、この写真が残っていました)

カウンターの表示は、この時点で、すでに18:15になっていました(元の予定は14:45)。
遅延の証明の紙をもらうまで
ボーディングが始まっているはずの時間(14時台)になって、やっとスタッフが来ました。11時すぎに空港に着いてから、3時間ほどたっていたと思います。私は前の方に並んでいたのに、最終目的地が成田であることを伝えると「こっちで待っていて」と避けられて、後ろの人たちが、ゆっくり案内されていきました。(乗り継ぎの振り替えなどを、いろいろ調整していたのだと思います)
私のように、待つように言われた人が、3人ほど私の後ろに回りました。他の人の案内が終わっても、なかなか呼ばれず、後ろの人が、しびれを切らしてスタッフに何か言ってくれました。すると、その後ろに並んでいた人が、私に「おいで」とジェスチャーをして、先にカウンターの人に通してくれました。
そこで、やっとチェックイン?が完了し一枚の紙をもらいました。これが、遅延の連絡の紙です。

紙には、こう書かれていました。
- 日付:2025年12月14日
- 便:QR200/ブダペスト → ドーハ
- 内容:「運航上の理由(operational reason)」で出発が遅れる。変更後の出発予定は18:45
- 乗り継ぎのある人は、次に乗れる便に振り替える
遅延理由によって補償の有無が変わるので、この紙は、あとで補償を申請するときの、大事な証拠になります。
ドーハでの振り替え
ドーハに着く前は、「到着の具合によっては、元の便に乗り継げるかも」という感じでした。でも、実際は全然無理で、羽田行きの、深夜1時着の便に振り替えられました。
(ただその振替をしてもらうにも、乗り換えカウンターのスタッフが足りず、かなり待たされました。)
ドーハでは、ミールクーポンを3枚もらいました。私はラウンジを使ったので、結局使ってはいません。
乗り継ぎカウンターで、羽田行きに振り替えてもらったのですが、そこではチケットを発券してくれませんでした。「搭乗ゲートの近くのカウンターへ」と言われて、行ってみると、そこでも「現地時間の6時半にならないと、発券できない」と言われました。
でも、ラウンジに入るには、ふつう、チケットが必要です。何か代わりの証明になるものがほしくて、「ラウンジを使いたいのですが……」と言ってみると、どこかに電話をして、その場で発券してくれました。できるんじゃないか!と思いました。ここに来るまでに、すっごく待たされていたので、もうイライラマックスです・・・
ドーハに着いたのは、1:59。羽田行きの便は朝の出発で、搭乗開始までの数時間ラウンジで過ごしました。
補償をもらえる条件(EU261)
ここは、EUの公式サイト(Your Europe)で確認した内容です(2026年10月時点)。法律の専門家ではないので、実際の請求の前には、公式サイトも見てください。
どんな便が対象?
EU圏の空港から出発する便は、航空会社がどこの国でも、対象です。ブダペストはEU圏なので、カタール航空でも対象になります。
どのくらい遅れたら?
最終目的地に、3時間以上遅れて着いたとき。乗り継ぎがあっても、同じ予約なら、最終目的地への到着の遅れで見ます。
いくらもらえる?(距離による)
- 1,500km以下:250ユーロ
- EU域内で1,500km超/その他で1,500〜3,500km:400ユーロ
- 3,500km超:遅れが4時間以上で600ユーロ(3〜4時間未満は、300ユーロとされています)
距離は、出発地から最終目的地までを、直線(大圏距離)で測ります。
対象外になる場合
天候、航空管制、政治的な不安定、安全上のリスクなどの「特別な事情」が原因のとき。ほとんどの技術的な不具合は、特別な事情に当たらないと、公式サイトに書かれています。
私の場合は?
- ブダペスト → 成田は、約9,070km(3,500km超)
- 到着は、約7時間遅れ
- 遅れの理由は、紙に書かれた「運航上の理由」
→ 600ユーロの区分でした。
カタール航空の遅延補償は、特典航空券でももらえた
私の航空券は、お金を払って買ったものではなく、JALの7万マイル(ウィーン&ブダペスト弾丸旅行|JALマイルで行くクリスマスマーケット)で取った、カタール航空の特典航空券でした。払ったのは、空港使用料や税金などの合計21,590円だけでした(往復4区間の合計。運賃は0円)。航空券の控えにも、「運賃 0円」「税金・料金 合計21,590円」と書かれています。発券したのは、2025年9月6日でした。
それでも、600ユーロの補償をもらえました。
なぜ、もらえるの?
- 補償の額は、「航空券の値段」ではなく、距離と遅れの時間で決まります(EUの公式サイト)。
- EUの条文には、「マイレージ(frequent flyer)プログラムなどで発券された航空券の乗客にも、この規則が全面的に適用される」と書かれています(2026年に成立した改正規則の条文。これまでの規則も、同じ考え方です)。
- 無料や、一般の人が買えない安い運賃の乗客は、対象外ですが、マイルの特典航空券は、その例外として、対象になります。
※ 航空会社によって、対応が違うかもしれません。これは、私の体験と、条文の説明です。
申請の手順(画面つき)
画面は、2026年10月に、カタール航空の公式サイトで確認したものです。サイトの作りは、変わることがあります。
ステップ1:ヘルプページから「Feedback & Concerns」へ
カタール航空の公式サイトの「ヘルプ」ページ(qatarairways.com/help)を開き、「Feedback & Concerns(フィードバック・ご意見)」を選びます。「Compliment(ほめる)/Concerns(ご意見)/Online experience(サイトの使い心地)」の3つから、「Concerns」を選びます。

ステップ2:予約番号と姓を入力
「Booking reference(予約番号)」と「Last name(姓)」を入力します。予約番号がわからないときは、「share your thoughts」から、予約番号なしでも進めます。

ステップ3:連絡先を入力
名前、メールアドレス、国・地域のコード、連絡先の電話番号を入力します。

ステップ4:「苦情(Concerns)」のフォームに、補償のお願いを書く
ここからは、個人情報を入力する画面なので、画面は載せません。私は、「苦情」にあたる項目を選んだと思います(今の画面では「Concerns」です)。補償をお願いする連絡として、次のような内容を、書きます。
書く内容の目安
- 件名:「補償の請求」+便名+日付(例:QR200/2025年12月14日)
- 便の情報:便名、搭乗日、出発地(ブダペスト)、最終目的地(乗り継ぎの場合は、最終目的地も。私は、成田)
- 何が起きたか:出発の遅れ(予定14:45 → 実際18:52)、ドーハの到着の遅れ、乗り継ぎに間に合わなかったこと、実際に日本に着いた時刻、航空会社の説明(紙には「運航上の理由」と書かれていた)
- 根拠:EU規則261/2004(EU261)
- 請求する金額:600ユーロ(距離の区分による)
- お願い:補償の手続きを教えてほしい。追加で必要な情報や書類があれば、教えてほしい
- 名前:パスポートの表記どおりの氏名
ステップ5:しばらくすると、申請ページの案内メールが届く
- まず、ケース番号つきの自動返信メールが届きます(件名は「Your feedback has been received」)。
- しばらくすると、申請ページの案内メールが届きます。署名する書類が、添付されています。「600ユーロを、最終的な解決金として支払う」という内容の書類(Release and Discharge)です。(私は12月25日にメールを受け取っています)
ステップ6:書類に署名して、申請ページでアップロード
- 書類を印刷して署名し、PDFにします。
- パスポートのPDFと一緒に、メールの中のリンクの申請ページにアップロードします(私は、12/27ごろ)。メールの返信ではなく、ページでのアップロードでした。
- この申請ページで、次の項目も入力して、申請します。
- 氏名
- 住所
- 航空券ナンバー
- 振込先(銀行名、支店名、SWIFTコードなど)
ステップ7:入金
振込先は、申請ページで入力した口座です。私は、JAL NEOBANKのユーロの外貨口座を指定して、ユーロのまま受け取れました。
申請に必要なもの(チェックリスト)
- 予約番号と姓(最初のフォーム)
- メールアドレスと、電話番号
- 遅延の紙の写真、搭乗券(振り替え後のものも)
- 便名、日付、実際の出発・到着の時刻
- パスポートのPDF
- 署名した書類のPDF
- 氏名、住所、航空券ナンバー
- 振込先の情報(銀行名、支店名、SWIFTコードなど)
書くときのポイント
- 事実だけを、短く書く(便名、時刻、遅れの時間)
- 他の人の例文を参考にするときは、自分の便と違う部分(出発地、遅れの理由など)を、必ず自分の内容に直す。たとえば、「機体の技術的な問題で遅れた」と書かれた例文がありましたが、私の場合は「運航上の理由」でした。事実と違うことは、書かないようにしましょう。
- 申請するつもりなら、最終的な出発時刻と到着時刻を、早めに確認しておく。私は、当時バタバタしていて細かい時間を確認していなかったので、帰国してから、FlightAwareで確認しました。対象になるかどうかも、時刻で変わってきます。
(公式サイトによると、まず航空会社に直接、申請します。2か月たっても返事がない、または納得できない場合は、出来事のあった国の担当機関に相談できる、とのことです。)
もらえた金額と、かかった期間
- 金額:600ユーロ(2026年1月6日に入金)
- 受け取り側の銀行の「外貨送金の手数料」として、25ユーロが引かれました。手元に残ったのは、575ユーロです。(手数料は、受け取る口座によって違うと思います)
- 期間:署名した書類のアップロード(12/27)から入金まで、約10日。年末年始をはさんでいたので、早いと思いました。帰国(12/16)から数えると、約3週間です。
これから変わるルール(2026年の改正)
2026年9月16日に、遅延補償のルールを改める新しい規則(Regulation (EU) 2026/2202)が署名されました。まだ、適用は始まっていません。公式の条文の案では、
- 補償額(250/400/600ユーロ)は、変わらない
- 3,500km超の便は、遅れが4時間以内なら、航空会社が半額にできる
- 補償の請求は、出発日から9か月以内にする(新しい期限)
- 航空会社は、請求を受け取ってから30日以内に、支払うか、断る理由を説明する
- 適用は、規則の発効(官報掲載の20日後)から12か月後
となっています。
私の件は、これまでのルール(EC 261/2004)での請求です。
気をつけたいこと
- 遅延の紙は、必ず現物か写真に撮っておく
- 搭乗券や、振り替え後のチケットも、取っておく
- 電光掲示板に便がないときは、あわてず、案内や、航空会社のカウンターへ
まとめ
- ブダペスト発のカタール航空QR200が4時間遅れ、羽田着は約7時間遅れ
- EU圏からの出発なので、EU261の対象で、600ユーロ(手数料が引かれて575ユーロ)をもらえた
- マイルの特典航空券でも対象
- 遅延の紙と、申請の控えは、大事な証拠
参考:EU公式サイト「Your Europe」(航空旅客の権利/長い遅延の補償)、Regulation (EU) 2026/2202(EUR-Lex)
